榎木孝明の近況や日々感じた事柄を文章にして、毎月更新しています。
榎木孝明

2026年1月1日 古希

あけましておめでとうございます。今年で70歳、古希である。
古希とは、『古来希(こらいまれ)なり』と言う事らしいが、平均寿命の伸びた近年では70歳は希でもなく、別段自分が年老いたという感じもしない。定年退職のない私の職業では、台詞を覚えられる内が現役だと思っているが、せいぜい芝居がサビ付かないように心掛けたい。尊敬する仲代達也さんのように、生涯現役が目標である。

歳を重ねたからと言って、芝居に厚みが出るなどとは錯覚であって、常に今という時の変わり様を感じていないと、時代遅れの浮き身となってしまいそうだ。かと言って頑張って今風を装った芝居をしても、若い人たちの中で一人浮いてしまう事になりかねない。

救いに思うのは400年前のシェイクスピアの芝居が、いまだに世界中で演じられている事だ。基本的な人の感情は何も変わらないと言う証しであろう。と言いつつも自然に演じる事が、いつの時代にも大事な要素だった筈だが、その自然にと言う事こそが難しいと思うのである。

自分の思う自然と時代が求める自然に、差があるとしたら困った事になりかねない。そこで"今を生きる"という、時代の流れを感じる生き方をする事に尽きるのではないかと思う。偉ぶらず、嫌がられない程度に、仕事の現場では積極的に且つ柔軟に、若い人たちの話に耳を傾けるのも、年寄りじみない為の大事な事かと思う今日この頃である。

榎木孝明

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