榎木孝明の近況や日々感じた事柄を文章にして、毎月更新しています。
榎木孝明

2026年11月1日 人間とAIの共存

近年の急激なAIの発展で、良くも悪くも人類にとっての新しい時代が始まったと言えよう。私が最も危惧するのは、本物と作り物の見分けづらい時代が、既に始まっていると言うことである。

最近のYouTubeのショート動画には、AIが作った感動的なショートストーリーが登場している。例えば、野生の動物と人間がひょんなことから出会い、それを育てた結果、野生と人間の絆が深まったと言う話。
小さな子供が戦地から帰ってきたお父さんと感動的な再会を果たすという話など、AIが作った画像だと気づかぬほど精巧に作られていて、思わず涙したりする。そして「あれはAIの作った画像だ」と言っても既に信じない人もいる。 こういった現状は、既に感動もAIが生成できる時代になったということであろう。

という訳で我ら役者も、AIに取って代わられても不思議では無い時代でもある。文章を書くことも、そのキーワードをいくつか挙げるとAIが代行してくれる。AI作のストーリーが、直木賞や芥川賞を受賞するのも、時間の問題かもしれない。AIの使用を禁止しても、果たしてそれが本物かどうかの見分けがつくだろうか。

これは私的な所感であるが、世の中に求められて生き残っていく芸術は「本当のこと」が表現されている文章や、芝居や、絵であると言う事だ。AIに対しては申し訳ないが、所詮は情報の集積として作られたものがAIの表現である。
本物かどうかを見分けて使い分けるのが、人間の仕事である。かといって、AIと戦ったり競い合ったりする必要もないと思う。役割分担と言う方法がベストかと思う。AIの知識を借りつつ、それを応用し深掘りし、構成するのが人間の仕事であれば良いと思う。
気をつけるべきは、AIに100%依存してしまうこと。それはAIに支配されていることになる。
そうして人類が自ら考えることを止めた時、AIの支配下で暮らす人間は、既に人間と言う名のロボット化した物になる。人間が人間たる所以を考える時代がこうも早く来るとは、多くの人が予測しなかった時代の到来である。

榎木孝明

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